突然ですが、高山病の予防、対策には何をすればいいかご存じですか?
本格的な登山をやっている方以外は、高山病はあまり身近な病気ではないでしょうし、どんな症状が起きたり対策は何をすればいいのかわからない人が多いと思います。
かく言う私も、南米旅行に行く前は高山病ってかかったらどうなるん、まぁかからんやろと余裕をこいていました。
えー…秒速でかかりました。(笑) 死ぬほどしんどかったです。(笑)
これから南米に行かれる方には同じ目に遭ってほしくないので、適切な予防と対策をまとめました。
そもそもなぜ高山病にかかるのか

高山病とは
高高地で酸素が欠乏することによって引き起こされる病気です。
標高が高くなると大気圧が低下して酸素の濃度が薄くなり、身体の中に取り込む酸素の量が低下して体内の酸素が不足することで起こります。
個人差はありますが、標高が2000~2500mを超えると、高山病になる可能性があります。
<症状>
吐き気や嘔吐などの消化器症状、頭痛、疲労、イライラなど
当たり前ですが、高地に行けばかかる病気です。
南米は高山病がかかりやすいと言われていますが、なぜでしょうか。
南米は標高が高い国が多い
理由は南米諸国の標高が軒並み高いことにあります。
参考までに標高が高い国、地域をいくつか紹介します。
ちなみに日本最高峰の山、富士山の標高は約3,800mです。
・クスコ(ペルー)
ペルーのアンデス山脈の中にある都市です。
インカ帝国の遺跡で有名なマチュピチュ遺跡への玄関口として利用される都市でもあります。
都市の標高は約3,400mです。
・キト(エクアドル)
エクアドル首都で約200万人もの人が住む大都市です。
赤道直下に位置する国としても有名で、ガラパゴス諸島への窓口にも利用されます。
都市の標高は約2,850mです。
・ラパス(ボリビア)
世界一標高が高い首都として有名なボリビアの首都です。
日本人にも有名なウユニ塩湖への経由地としても使われています。
都市の標高は約3,600mです。
・ウユニ(ボリビア)
世界最大の塩原で有名なウユニ塩湖がある都市。
人口約1万人と小規模な都市ですが、ウユニ塩湖のおかげで観光産業が盛んです。
都市の標高は約3,700mです。
このように、南米の観光都市は標高が高い国が非常に多いので、高山病にかかりやすい要因になっています。
実際に高山病になった話

私はペルーの首都リマからクスコに飛行機で向かい、翌日クスコからバスと徒歩でマチュピチュに向かいました。
マチュピチュに徒歩で向かう途中で下痢になり、そのまま高山病にかかってしまいました。
私は頭痛や吐き気には見舞われませんでしたが、寒気と下痢がおよそ2週間ほど続きました。
1日10回ほどトイレに行き、食べ物も果物ぐらいしか食べられなかったので治ったころにはかなり痩せていました。
リマの標高が問題!
クスコに向かう旅行者の多くは首都のリマから飛行機かバスで向かうと思います。
しかし、このルートで厄介なことが1つあります。
それはリマの標高が0mということです。
このルートを使うと標高0mの場所から一気に3,400mの場所に行くことになります。
これは街中から一気に富士山の頂上付近まで行くことと同じと言えます。
この高低差が高山病を起こしやすい大きな要因になっています。
高山病は治療しないとかなり長引く!?
マチュピチュに向かう途中で高山病にかかった私は、高山病の知識もなく、いずれ治ると思って放置していたこともあって2週間ほど症状が続きました。
私はかなり長引いた方ですが、治療をきちんとすれば翌日にも治ることもあるそうです。
現に、旅行中に出会った方は高山病にかかったが、治療をしたら2日で治ったと言っていました。
きちんと情報収集をして治療をしていればもっと旅行が楽しめたのにと後悔しました。(笑)
高山病の対策と治療法

標高2000m以上の場所になると高山病にかかる危険性があります。
高山病のかかりやすさは生まれつきで、慣れることもないそうです。
さらに、高山病にかかりやすいかかかりにくいかは検査で分かるものでもないので、初めて高地に行く場合は必ず準備が必要です。
高山病にならないために
高山病の予防はいくつかありますが、国内外のサイトで推奨されている方法を以下にまとめました。
1.体を高度にならす
本当にこれに尽きると思います。
実際私も休憩無しで一気に高度を上げていったので高山病にかかりました。
人間は体が高度に慣れるまでに約2~3日かかり、1000m標高が高くなるにつれて1日休息が必要だと言われております。
リマ→クスコのように一気に標高を上げる場合は到着してから最低1~2日は移動せずに休息しましょう。
2. アルコールを控える
アルコール・タバコなどは高山病をさらに悪化させる可能性があります。
アルコールやたばこは呼吸を抑制する作用があり、体内に取り入れられる酸素量が減ってしまうからです。
どうしてもアルコールを呑みたい場合は、高度を上げてから約2日待ち、高度に慣れてから呑むようにしましょう。
3. 炭水化物を食べる
高山病の予防に炭水化物を摂取することは少し不思議に思うかもしれません。
しかし、標高が高い場所では普段よりもより多くのカロリーを消費します。
標高を一気に上げた場合、高地に慣れず食欲が沸かないかもしれませんが、なるべく全粒穀物を含む炭水化物を多く摂取するようにしましょう。
4. 薬を飲む
最終手段な気もしますが、薬を服用することも一つの手だと思います。
日本国内や現地で薬を買い、高地訪問の2日前から前日までに飲むものが一般的です。
しかし、薬を飲んでも高山病にかかる可能性は大いにあり、現に薬を飲んでもかかる人は結構多い様です。
また、現地に着いてから服用するのでは遅く、前日までに服用しておかないと効果がないものが多いようです。
高山病にかかった時は

高山病はかかってしまったら即効で治す方法は以下の2つしかありません。
1. 標高を下げる
これが高山病を治す一番の治療法だと言われています!
高山病の病気なので当たり前かと思われるかもしれませんが、標高を下げれば圧倒的に治るスピードが早いそうです。
実際私も、クスコからアルゼンチンのブエノスアイレスに行くまで標高が高いままだったので、2週間高山病に見舞われましたが、標高が下がると完全に治りました。
2. 薬かコカの葉を服用
予防の時にも述べましたが、高山病を和らげる薬の服用も効果的です。
しかし、それよりも効果的だと言われているのがコカの葉です。
コカの葉は南米原産の植物で、コカインの原料になる植物です。
南米では至る所にコカの葉が売っており、疲労回復や眠気防止などさまざまな用途に使用されています。
処方の仕方もさまざまで、直接食べたりお茶としてコカティーを飲んだりすることが一般的です。
以上!
私は何の治療もせず下痢に耐えながら旅行しましたが、みなさんはきちんと対策をして楽しい南米旅行を送ってください。